令和を駆け抜ける

誣告と讒言を憎む評論。

同調圧力

 同調圧力という造語が各所でみられるが、その言葉の使い方は甚だしく不誠実なことが多い。

 自分には道理があり、周りの方が道理に合わないにもかかわらず、同意しなければ不利益を被るという場合にのみ同調圧力という言葉を使うべきだと思う。

 そうでなければ、自分こそが道理に合わないくせに、自分が道理に合わないことを言うことが憚られるために同意した場合にまで「同調圧力がすごい」だなどと愚痴を垂れるのは不誠実である。素直に自らの過ちを認めるのが誠実であろう。たった一言、真心から「そうですね」と言えばそれで足りることである。 

 また、不利益を被らないのに自分の信じる道理を言わないのは、同調が強いのではなく、道理を言えない自らが弱いのである。自分の道理を言うことができるのに不利益を被るがゆえに言えないという場合こそ、それでも言わなかったお前が悪いというのは酷な場合なのである。そもそも言えなかっただけで不利益を受ける背景もなかった人が同調圧力だなどと被害を主張するのは不誠実だ。